麦芽はビールに大切な原料ですが、その種類もビール醸造における役割も様々です。ここではそもそも麦芽とはどう言うものなのか簡単にお話します。
麦芽はビールに大切な原料ですが、その種類もビール醸造における役割も様々です。ここではそもそも麦芽とはどう言うものなのか簡単にお話します。
•麦芽とは
•麦芽と水分
•麦芽の粉砕
•まとめ
麦芽とは文字通り麦を発芽させたものです。ビールは「麦酒」と書かれるように、麦のお酒です。
「だったら、麦芽でなくても麦で作ればいい」と 思われるかもしれませんが、ビールの醸造にとって麦を発芽させることに大きな意味があります。
もともと麦は「種」です。麦などの「種」は成長するための栄養として、でんぷんを自身の中に蓄えています。自然の麦は寒い冬を超え、春が訪れると雨などの水分を受けて芽を出します。その際、でんぷんを糖に変える酵素が働き、それをエネルギーに発芽・成長します。
ビールの醸造ではこの酵素の働きを利用して、でんぷんを糖に変え、その糖を微生物(酵母)がアルコールに変えてお酒(ビール)になります。
麦芽は、見た目はほぼ麦と変わりありませんが下記の工程を経て、麦から醸造用の麦芽に変化します。
でんぷんを糖に変える酵素は水分がないと働かないので、麦芽が乾燥している限りでんぷんが糖に変わっていくことはありません。しかし水分があるとでんぷんの分解が進んでしまうので、麦芽の輸送、保存には水は厳禁です。
ビールの醸造過程で、でんぷんを糖に変えることを「糖化」と言います。この糖化を行うのが麦芽の持っている酵素です。麦芽を細かく粉砕することで、酵素がでんぷん質をとらえやすくなり、うまく糖へと分解する助けになります。
糖化が終わった後、麦汁はどろどろのお粥さんのようになっています。これをろ過してきれいな麦汁にするのを「麦汁ろ過」と言い、この時、麦芽の殻(穀皮《こくひ》)が落ち葉のように積み重なってろ材の役割を果たします。そのため、麦芽の粉砕では穀皮を残しつつ、でんぷん質を細かくするように粉砕度合いを調節します。
今回は「麦芽」についておおまかにお話をさせていただきました。
・麦は「種」で、でんぷんを蓄えていて、酵素の作用ででんぷんを糖に変え、それをエネルギーに生長する。
・麦芽は水分を避けて扱われ、使用する時は、考え抜かれた職人のレシピで粉砕され、ビールの元となり絶妙な層となり濾過の役割も担う。
次回は、金しゃちビールで使用されている麦芽の種類と役割について説明いたします。お楽しみに!
このページを是非ご紹介ください!
金しゃちビールのスタッフがビールについて深堀りした記事を執筆中♪いろいろ読んでビールリテラシーを高めましょう!